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Oct 27, 2014

オレゴン・ポートランド国際空港での乗継ぎと楽しみ方

デルタ航空で東京成田からアメリカに向かう方へ。ポートランド国際空港/PDXは、コンパクトで主に西海岸諸都市への乗継に便利です。待ち時間だって、空港に居ながらにして、個性的なオレゴン・ポートランドらしさのエッセンスを楽しめます。東京からポートランド経由、アメリカ他都市への乗継方法と、空港での楽しみ方を紹介します。
緑が美しいポートランド。ファーマーズマーケットは定番の観光スポット。



・東京からのデルタ航空直行便 、乗り継ぎに便利なターミナル

東京成田からはデルタ航空の直行便が、一日一便就航しています(2014年8月現在)。東京からポートランドへは約9時間、ポートランドから東京へは約10~11時間のフライト。運が良いとアラスカの美しい山脈や氷河を眺めることが出来ます。デルタ航空直行便が就航していない都市(サンフランシスコなど)へは、シアトル/SEAよりもポートランド/PDXの方が乗り継ぎが便利だと思います。機材はボーイング767、座席数が比較的少ないこともあり、満席でした。東京・アメリカ共に発着時間が便利な為、乗継のお客さんが多いのでしょう。

現地到着後、「入国審査・荷物受け取り・税関・荷物を再びチェックイン」という流れは他の空港と同じです。案内表示に従って進むだけです。税関後の再チェックインカウンターの場所が案内が少なくて分かりにくいですが、誤って出口から出てしまわないで下さい。また荷物を再チェックインする際は、航空券と荷物のタグを見せて、最終目的地の確認を地上スタッフと行った方が安心です。あまり決め細やかではないので、自分の責任で確認を取り合いましょう。荷物を預けたら セキュリティー検査を受け、エスカレーターで階上に進むと、そこがもう国内線の搭乗ゲートが並ぶフロアです。近くにいた空港ガイドさんが、目的地と搭乗ゲートを確認して教えてくれました。こちらから尋ねるまでもなく、ガイドをしてくれる以心伝心サービスがまさかアメリカにあるとは思っていませんでした。

ポートランド国際空港は各ターミナルが一つの建物にまとまっている為、再チェックイン後のターミナル間移動が無くて便利です。再チェックイン後に国内線に乗る為、トラム(空港内の電車)に乗って、別のターミナルに移動する手間が無いのです。シカゴなど、他大都市とは異なります。アメリカは出国審査が無いので、アメリカ入国便のみ専用の国際線ターミナル(入国審査・管理の施設が必要)を使い、国内線やアメリカを出国する国際線は航空会社別のターミナルから出発するという形式が多いと思います。入国時はもちろん、出国(日本に帰国)時にも、向かえばよい建物は一つだけなので分かりやすいです。詳しくはデルタのページ(http://ja.delta.com/content/www/en_US/traveling-with-us/airports-and-aircraft/airports/portland.html)をどうぞ。

・アメリカ西海岸の入国審査

また入国審査は入念に。絶対にESTAをお忘れなく。特に血縁関係の無いお子さん連れの方(ご友人のお子さんとか)、留学や語学研修に行く学生さんは気をつけてください。前者は、ハーグ条約の影響もあるのか、お子さんへの入国審査は時として厳しく、過去にシアトルでは、自分の前に並んでいた日本国籍の小学生くらい?のお子さんでも、一人で入国審査官から質問を受け、結局は別室に案内されているケースを見たことがあります。後者は、滞在目的とビザの有無をしっかりと伝えましょう。大学等の教育機関への留学と、短期間の語学研修プログラム等への参加では、性質が異なるのです。滞在目的が「勉強」だと言えば、「それは留学ではないのか?ビザが必要なのでは?」と問答が始まる可能性だってありえます。

・免税店が無いことが意味するポートランドのクールさ

さあ、乗継ぎには最低1~2時間の余裕が必要だと思います。乗り継ぐフライトを逃さない為であり、そして空港でのショッピング・レストランの楽しみを逃さない為でもあります。ポートランド国際空港、最大の特徴と感じたのは、いわゆる免税店が無いこと。化粧品やタバコや洋酒を扱ったお決まりの免税店。これはクールです。地元産ウイスキーを販売するキオスクのお姉さんに教えてもらいました。ピンク色のメッシュにタトゥー、メガネがかっこいい、ヒップスター風のお姉さん。「免税店定番のタバコの販売に関して反対の声が上がったこと、ポートランドからのアジア便が減って以来(現在は東京成田のみ)、アジア人のお客さんが減り、免税店の客入りが悪くなって閉店されたままなんだ。」と教えてくれました。細身のスーツやシャツに身を包んだきれいなお姉さん達が、はるばる遠方から運ばれて来た化粧品やウイスキーを販売する空港もあれば、ヒップスターのお姉さんが地元蒸留所・ローカルにこだわったウイスキーを販売する空港もある。価値観の違いです。成田や香港、シンガポールの様に、ファンシーなハイブランドを取り扱わないのがヒップスターの真髄でしょうか(とはいえヒップスターご愛玩の品々は結構プライシーなのですが)。

・空港でさえも、ヒップである必要がある

空港は地域の玄関口であり、地元名産をアピールする格好の場所ですが、「気取らず自然体に、でもやっぱり気取っている」という、ポートランドならではのさりげなさは参考になります。どうすれば、ごてごての観光地、物産展っぽい野暮ったさを拭い去ることが出来るのか。企業や、省庁・地方自治体の方で視察旅行に来られた方には、帰国便の搭乗ゲート、最後の最後まで気を抜くことが出来ません。 

「バーガービル」Burgerville

地元チェーンのハンバーガーショップの空港支店。おいしいバーガーは手頃な値段で楽しめます。魅力はローカルへのこだわり。食材の調達はオレゴン&ワシントン州にこだわっていると袋に明記されています。ビールを頼んだら、当たり前の様にクラフトビールのセレクションメニューを見せてもらいます。一般的に外食が高いアメリカ。ましてや空港で1000円以内でグルメバーガーを楽しめるとは。ローカルへのこだわりなど、能書きが多い店の割りに、確かにおいしくて、手頃な値段で楽しめる実力派です。ちなみに検査ゲート脇のレストラン(ワインバー)は微妙なので、忘れずにここまで脚を運んでください。

「ローグ」Rogue

 知る人ぞ知るクラフトビールの有名銘柄の店は空港にもあります。フルサービスのレストランなので、時間と予算に余裕がある人向けです。純粋に食べ物ならバーガービルの方が追い私用に思いますが、ローグを飲めるのはここだけ。それにしても、こちらの人は、(若い女性でも)空港のバーカウンターでお酒を飲む姿を見かけます。ぜひ成田や羽田にも設けてください。国際的な銘柄を扱うもよし、何より日本にもおいしい日本酒や海外に勝負に出れる品質のクラフトビールがあるのですから。

「メードインオレゴン」Made in Oregon

おすすめはチョコレートがけのヘーゼルナッツ。ファーマーズマーケットでも見かけました。要するに地元物産館なのですが、どうすればこのかっこよさを演出できるのでしょうか。

ポートランド国際空港はさりげなく、素晴らしい空港です。「おもてなし」という至れり尽くせリな概念で魅力をアピールしている訳ではないので、利用客自身がその魅力を自分なりに感じ取る必要がありますが、自分で魅力に気づいていくというDIY的なプロセスもポートランドらしさでしょう。「ローカル・アーティサナル・ヒップスター」という価値観は、結局アッパーミドル以上のお金を持った若いコケイジャンに特有のものなのかも知れませんが、何やら空虚なマーケティングワードでは?と、それで片付けるのはもったいない。彼らの真似をしているだけなのではと言われればそれまでですが、真似をするのが私達の宿命であるのだとすれば、今現在、最高のお手本はオレゴン州ポートランドにあるのだと言う事が出来るのです。

Nov 22, 2013

【まとめ】オレゴン州ポートランド

オレゴン州ポートランドのまとめです。訪れるならば夏(7~9月)がお勧め。北西部/Pacific North Westの心地よい夏を楽しめます。特別何かがある訳でもないのですが、のんびりと街を歩いているだけで発見があり、感性が磨かれる。こんな街でした。ポートランドはいくつかの地区に分かれて紹介されることが多いので、以下を参考にしてみてください。

1)はじめに

「オレゴン・ポートランドへ行こう!」
ポートランドへはデルタ航空が便利。成田からの直行便があります。関西方面からは関空~シアトル便で入国し、ホライゾン航空に乗り換えてポートランドへ。入国審査が厳しめのシアトルは要注意。そしてシアトル~ポートランドの機内からは、絶景がお待ちかねです。

2)ダウンタウン/Downtown

「ポートランドの地ビール祭り」
毎年7月に開かれるオレゴン地ビール祭り/Oregon Brewers Festivalは、クラフトビールファン待望のイベント。夕暮れの雰囲気が心地よかったです。
「オレゴン州の日系人」
日系人の足跡はオレゴン州にもありました。日系アメリカ記念館/Oregon Nikkei Legacy Centerに行くと、彼らのことが他人事ではないように感じられます。 
「ポートランド・ファーマーズマーケットで見つけたおすすめ」
朝食やブランチ、お土産を買うのにも最適。お土産といえども、店員や生産者と直接会話をして、試食をしてから買うのがポートランド流? 
「ファーマーズマーケットの開催は日本では難しい」
なぜアメリカではファーマーズマーケットが盛んなのか?ファーマーズマーケットが地域を活性化するとはどういうことなのでしょうか。牧歌的なだけのイベントではありません。

3)パール地区/Pearl Districe

「ポートランド・クラフトミュージアム」
アートファンにおすすめ。陶器を中心としたクラフトを楽しめます。地元との関係を大事にするコミュニティーミュージアム。さりげないセンスです。

4)ワシントン公園/Washington Park

「自然の遊び場 ポートランド・ワシントン公園」
気軽に出会えるPacific North Westの自然の美しさ。ニューヨーク・セントラルパークの設計者オルムステッド一族が手がけた、この美しさ。

5)ミシシッピ地区/North Mississippi Ave.

「ポートランドのボヘミアンネイバーフッド(ミシシッピ通り)」
最近注目を浴びる再開発地区。個性的な店に注目です。

6)アルバータ地区/Alberta District

「アルバータ地区で欠かせないフライドチキン」
ヒップで人気の地区。何と行ってもPine State Biscuitsというレストランのフライドチキンが欠かせません。個性的な店は、レストランやショップに携わる人達の参考になると思います。
「本当にあったフェミニストのための本屋」
コメディドラマ・ポートランディア/Portlandiaでお馴染みのフェミニスト書店をついに発見。

7)ホーソン・ディビジョン地区/Hawthorne St and Devision St

「ポートランドのボヘミアンネイバーフッド(ホーソン地区)」
元祖ヒッピー&ヒップスターの街。どうしても一つに選ぶなら、ホーソンは必須です。
「グルメな住宅街」
観光地よりも普通の住宅街に発見が潜むポートランド。ディビジョン地区は穴場です。

グルメな住宅街

ポートランドのボヘミアンネイバーを巡る旅も、今回で終わり。最後にDivision/ Clintonという地域で夕飯を食べました。BBQレストランでたっぷりと肉料理を満喫。かなりローカルな住宅街にも行列が出来る店、そしておいしい店があるのがポートランドの魅力です。
やはり自転車が便利で、SE Division St / 30th Ave付近を今回は訪れました。もちろんダウンタウンから、バスRoute4に乗っても便利です。特別に何かがある地区ではないのですが、思いっきり地元感溢れる住宅街を散策してみたい人におすすめの場所です。

エリアのシグネチャーはやはりレストラン"Pok Pok"(http://www.pokpokpdx.com/)。かなりの行列を発見しました。エスニックなアジア料理の店。何がすごいかといえば、かなりローカルな場所の店にも関わらず、ニューヨークにも進出している所。どこの国にもおいしい料理はある訳で、特にアメリカ大都市の料理はバラエティも豊か。アメリカ料理はまずいだなんて言われ草は、いつの時代に誰が言っていたことなのでしょうか。
今回訪れたのは"Clay's smokehouse"(http://clayssmokehouse.ypguides.net/) というBBQレストラン。30th Ave付近です。全く気取らないレストラン。肉料理が好きな人は、アメリカでついに夢をかなえることが出来る店だと思います。まずはビールのコレクションに感動。やはりポートランドはクラフトビールに限ります。しばらくして、Brisket Plateがやってきました。ほろほろと食べやすいブリスケット、肉のうまさにまず感動。サイドデッシュも捨てがたいです。ガーリックトースト。コールスローもおいしくて、店オリジナルレシピだという、シラントロ(パクチ)がアクセントになっています。

不思議に思ったのは、BBQ&Grillが併記されていること。どちらも一緒なのでは?と思っていましたが、店員さんいわく、BBQは料理のジャンル、Grillは調理方法なのだとか。確かに自分が食べたBrisket Plateはほぐしたブリスケットにソースがかかった料理なのでBBQ、他の人が食べていたステーキはGrill料理ということになるのかも知れません。肉料理はとても奥が深い国だと思います。BBQにしたって、セントルイス・メンフィス・テキサス・ノースカロライナなど、様々な種類があるそうです。日本人は魚のうまい食べ方を知っている様に、肉のことならアメリカ人に聞くべきですね。
おいしい食事にありつける環境にあることに感謝をしないといけません。Teen Feedと書かれたバンを発見。Teen Feed(http://www.teenfeed.org/)とは、シアトルに拠点がある貧困層の若者を支援する団体。ワシントンメディカルセンターの看護師が、ERに訪れる患者に貧困に苦しむ若者が多いことに気づき、団体の発足につながったのだとか。

ポートランドの住宅街も、空は青くて澄んでいて、太陽と緑が眩しい景色が広がっているのですが、結構、抵当物件を見かけました。決して経済的に恵まれた街ではないことは事実でしょう。更に人種構成という意味でも、比較的コケイジャン人口が多いような印象を受けました。意外と保守的な面がポートランドにはありそうです。他の大都市のように圧倒的な多様性がある訳でも無さそうです。

ポートランドのリベラルさに「自分達で解決しようという自主独立の精神」という側面があるのだとすれば、それはアメリカに伝統的な保守的な概念でもある"自主独立"と表裏一体なものなのかも知れません。しかし、自分達で選び、決めるのであれば、政府の大きさというものを認める風土がありそうな気がします。ポートランドのおいしいもの、おしゃれな店といったソフトな入り口から注目を集めつつある今ですから、彼らの政治についても知りたくなって来ました。果たしてポートランドは、アジア系にとってどのような住み心地を備えた街なのでしょうか?

ポートランドのまとめです。ご参考。

ポートランドのボヘミアンネイバーフッド(ホーソン地区)

ポートランドでは自転車を借りて、個性的な街並みを巡るに限ります。今回はボヘミアンネイバーとして名高い、ホーソン地区/Hawthorne Stです。チェーン店も立ち並ぶ賑やかな地区ですが、やはりヒッピー・ボヘミアンの影響は今でも健在でした。
ホーソン地区は、アルバータ/Alberta地区(過去記事) や、ミシシッピ/North Mississippi地区(過去記事)に比べると、ダウンタウンから訪れやすいです。自転車はもちろん、ダウンタウンからはバスのRoute14に乗り、Hawthorne St/ 34th Ave付近で降りるとよいと思います。交通局のページでもチェックすることが出来ます(http://trimet.org/schedules/r014.htm)。

かつて精神病院があった地区なのだそうですが、今では様々な店が立ち並んでいます。ヒッピーと、ヒップスターで有名な街並みですから、人間観察をしているだけでも楽しかった。そして一歩通りを入ると、とても美しい住宅街。街路樹がしげっていて、落ち着く街並みでした。ちなみに住宅街の庭(樹木の下)には松のチップが敷き詰めてある家が多く、香ばしいにおいが漂っていました。ナンタケット島のような松の香りは、結構好きです。

 中でも37th Ave辺りがおもしろい。まずは映画館Bagdad Theaterにはレストランもあるので、早めの夕飯を食べる人達で賑わっていました。有名な書店Powell Booksの支店があり、暮らしに関する書籍(料理やガーデニングなど)のコレクションが豊富です。そしてスーパーも併設されています。この辺のコレクションやディスプレイ方法は、日本で個性的かつライフスタイルを提供する類の書店をやっている人に参考になると思います。アルバータとは異なり、何気にチェーン店も多いのがホーソン地区です。さすがにスタバには行きません、代わりにピーツコーヒー/Peet's Coffeeを選びました。カリフォルニア・バークレー発祥のコーヒーチェーン。ヒッピータウンコネクションです。シアトルに対抗心を燃やすのがポートランドなのだとか笑。

どこからともなく、You are my sunshineが聞こえてきました。路上ミュージシャン達の演奏です。とてもカントリーで、オールドタイムな雰囲気。穏やかな休日の夕暮れにぴったりでした。やはりボヘミアンであり、落ち着いた雰囲気なのです。ヒッピーとして政治的に尖っていて、攻撃的な雰囲気はないし、サンフランシスコやニューヨークの大都会のヒップスタータウンのように、スノッブな雰囲気もありません。ポートランドは若者がリタイアしに行く街だ。というコメディPortlandiaの触れ込みはあながち間違いではないような気がしました。ホーソン地区は、ポートランド・ボヘミアンカルチャーの中心地の一つです。

オフィシャル観光ガイド(ホーソン地区)
http://www.travelportland.com/collection/hawthorne/ 

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

アメリカで頑張るスバル

最近のスバルの躍進は、北米アメリカ市場での成功にあると思います。手頃な値段の割りに製品自体が素晴らしいし、何よりもマーケティングが卓越しています。「比較的高学歴、だけど富裕層ではない人達」のことを良く考えています。それにしても、オレゴン州ポートランドでは実に良くスバルを見かけました。北西部(Pacific North West)はやはり重点地区なのでしょう。コメディ番組ポートランディア(Portlandia)にも自動車提供を通じて、宣伝を行った北米スバル。ポートランドの景色と雰囲気に、スバルは実に溶け込んでいました。
やはり主役のフォレスター。きれいな青色。SUVは山道を駆け抜けるとか、ワイルドでスポーティーな印象がありますが、北米スバルのフォレスターのCMは一味違います。母娘で近所のコミュニティーガーデンを訪れる。カントリー風の曲を背景に、母親を手伝う娘、水をあげたり、鶏にエサを与えたり、収穫をしたり。最後にフォレスターの荷台に荷物を詰め込み、"Every mom needs a little helper. That's why I got a SUBARU."と娘をミラー越しに眺める安心そうな母親の姿が映る。こんな感じです。30秒のショートフィルムかと思うくらい。ミニバンよりも、SUVの方がかっこいいし、何よりも母娘を守る安心感がそこにはあるのですね。コミュニテーガーデンというのも、高学歴な低所得者層の心に訴えかけてきます。
少し古めのレガシー。フロントグリルが日本よりも押しが強い印象。立体的で、はっきりとしたデザインが北米では好まれるのでしょうか。きれいなツートンカラー。それにしても、結構古いスバルも見かけました。スバルオーナーは古くなっても乗り続ける傾向が強いらしく、なかなか新車に買い換えてくれないのが北米スバルの悩みなのだとか。
新型インプレッサ。一代前のインプレッサから、販売が拡大したように思います。コンパクトカーとはいえ、これくらい車体サイズがあると快適で安心。ちなみに、自転車ロードレース大会に参加する奥さんを、インプレッサに乗って応援しにいく旦那の姿を描いたコマーシャルも感動的です。「スポーツ(特に自転車)を愛すること。自分で挑戦すること。支えてくれる人がいる。」というテーマは、日本以上にアメリカ受けするテーマなのかも知れません。
 
良く見かけたのはレガシー、そしてアウトバックでした。ポートランドの美しい住宅街によくマッチしています。青や緑など、日本ではあまり見かけないカラフルな色の車を見かけます。 北米向けにサイズが巨大化したと言われてしまうのは事実ですが、やはり大きい車体はかっこいい。見栄えのするデザインを実現しようと思ったら、特に車幅をきちんと確保しないと、難しいのかも知れません。

スポーツを愛する。犬を愛する。自分で挑戦することを重んじる。コミュニティーガーデン。家族を大事にする。自然を愛する。これらのテーマを打ち出した北米スバルのコマーシャルは、どちらかというと、高学歴なコケイジャン(白人)に受けそうなものです。多様な社会で、絞るべきターゲット層がいるから、小さな自動車会社でもヒットを狙える環境にあるのでしょう。

個人的にはコメディ番組Portlandiaへの協賛が素晴らしいと思います。マニアックなテレビ局IFC(Independent Film Channel)の、マニアックなテーマを扱ったコメディ番組(http://www.ifc.com/shows/portlandia)です。そしてトヨタやホンダのような巨大日系企業は、スーパーボウルへの広告を出すのに比べ(しかもKelly Clarkson級のスターを起用して)、一方の北米スバルは裏番組?のパピーボウル(http://animal.discovery.com/tv-shows/puppy-bowl)という、子犬のアメフト大会のスポンサーです。どちらも狙いどころがおもしろいですね。何にせよ社会的なメッセージを重んじています。スタイリッシュなかっこよさばかりを打ち出すのではなく、もっと社会的なメッセージ性も込めていて、そうした姿勢は今時だなと感じます。「欧州で磨き上げた上質の走りとスタイリング」なんてCMはもうおなかいっぱいです笑。

北米スバルの感動的なCMはこちらから。

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

アルバータ地区で欠かせないフライドチキン

ポートランドで個性的なエリアの代表格と言えば、アルバータ地区/Alberta Street。チェーン店は少なく、独立経営の店ばかりです。もちろん有名なフライドチキンサンドイッチを、パインステートビスケット/Pine State Biscuitsで食べて来ました。散歩するだけで楽しいエリアです。
自転車で訪れると便利です。ダウンタウンで自転車を借りて、他の地区と併せてサイクリングするのがベストな楽しみ方。何たってポートランドは自転車の町です。バスならば、ダウンタウンからRoute8 に乗り、NE 15th Ave/NE Alberta Stの交差点で降ります。多少時間は掛かりそうです。交通局Trimetのページで、バスルートをトレースできる地図&時刻表があるので、確認してみて下さい(http://trimet.org/bus/index.htm)。

Alberta Stは東西に連なる通りであり、賑やかなのは15~30th Ave(Aveは南北に連なる)の周辺でした。北西部らしい爽やかな夏の休日。多くの人で賑わっていました。昼ご飯を食べて、店を眺めて散歩する。昼間訪れるのに最適な場所だと思います。
 
 
さてお待ち兼ねのフライドチキンサンド。パインステートビスケット/Pine State Biscuitsという店です(http://www.pinestatebiscuits.com/)。Alberta St/22th Aveにあります。行列を目印に訪れてください。レジで注文を頼み、しばらくすると自分のオーダが呼ばれて取りに行くというシステム。メニューの数が多いので迷います。今回は王道的?な、フライドチキンサンド(The Mcisleyというメニュー)と、アイスティーを頼みました。ちなみに英語名を伝えたので、名前が呼ばれたのに気づきませんでした、恥ずかしい笑。慣れない事をするものではありません。

とにかくおいしいです。日本では全くお目に掛かれない料理。ポートランドに来た甲斐がありました。しっとりとしたビスケット、そして何よりもチキン。フライドチキンに欠かせない秘伝のスパイスが健在。そしてハニーマスタードと、ピクルスが良く合います。甘さと、柔らかなすっぱさと、スパイシーな味が絶妙でした。甘さとすっぱさの組み合わせ(まさにハニーマスタード)はアメリカならではの、味付けでいいですね。それに胸肉なので、肉のうまみがあるし、脂っぽくないので、食べやすいです。そして口直しのアイスティー。南部料理を食べる時は、これくらい甘くないと。量が多いのも嬉しいです。

ちなみにPine treeはノースカロライナ州のオフィシャルツリー(州の木)ですから、やはり南部テイスト。そもそもファーマーズマーケットのベンダーからスタートした彼ら。全く気取ることのない店内でしたが、徹底したこだわりとマーケティングを感じる辺り、やはり素人ではない、ビジネスマン達なのだと思います。何事も徹底しないといけません。
 
レストランの裏側です。雑然としているようで、うまくまとまっていて良い雰囲気。花屋も、レストランも、ゴテゴテしていないで、全てが自然体でした。Thicket(http://www.thicketpdx.com/) という花屋を発見。日本の個人商店のオーナーさん、働いている方はディプレイやマーケティング方法を観察に、ぜひポートランドを訪れるべきです。チェーン店ではなく、こういう雰囲気の店が増えて欲しいですね。ちなみに、ポートランドのボヘミアンタウンといえども、さすがに"Fresh Herbs"は"まともな方の"ハーブでしたので、安心して下さい笑。
 
 
街の景観を乱すと悪名高い電信柱も、ここでは一つの文化です。コメディドラマのPortlandiaにも、電信柱にバンドの宣伝を貼り付けるシーンがあったくらいです。そしてまたしても、マイクロブルーワリーを発見。ちょっとしたロットにこうやって、テーブルとイスを出して、くつろいでいます。Food truckがありました。のんびりとした休日の過ごし方が上手な人達だと思います。

それにしても、こうしたヒップな地区は全米色々な町で見ることが出来る時代です。代表格はニューヨークのブルックリン・ウィリアムズバーグ辺りでしょう。しかしポートランドは良い意味で田舎なのです。背の高い建物はない普通の住宅街だし、空は広いし、道路も広い。ウィリアムズバーグなんかは、ヒップな街とは言え、ものすごい競争社会の雰囲気を感じます。どの店も、ああ見えて張り合っている感じ。一方でアルバータ地区はもっと落ち着いた雰囲気。

そしてこうした個人経営の個性的な店を、そのまま日本に持って帰りたいくらいでした。いわゆる「私達は理念を大事にします」というコンセプト重んじますよ姿勢も、きちんと収益性というビジネスの鉄則に結びつける為のパフォーマンスの一環(もちろん理念は重要ですがそれだけではない)、とはいえ、表立ってガツガツしていないゆとりを感じさせます。けれども、考えているのはしっかりとした収益性。ボヘミアンに見えて、やはり彼らはプロ集団なのでした。

"Alberta Main Street" 地元の商工団体:(http://albertamainst.org/)
"Travel Portland" 公式観光ガイド:(http://www.travelportland.com/collection/alberta-arts-district/)

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

Nov 21, 2013

本当にあったフェミニストのための本屋

フェニミストのための本屋を見つけました。リベラルな気風で知られるオレゴン・ポートランドの"In other words"という、なかなか衝撃的な店。コメディドラマのポートランディア(Portlandia)に登場するフェミニスト書店の舞台にもなっているこの店。とにかく店の中に入って見てください。ただ一言、驚きの世界です。
ダウンタウンからは少し離れた場所にあります。車か自転車あればベストです。ポートランド北東地区("NE"と良く記される)NE Killingsworth Stと、N Williams Aveの交差点に店はあります。路面電車MAXイエローラインのN Killingsworth駅から、バスのRoute 72に乗って、同交差点で降りればよいと思います。交通局(Trimet)のホームページから、Route 72を選択すると時刻表やルートが分かります(http://trimet.org/schedules/index.htm)。観光で訪れるのならば、思い切ってダウンタウンで自転車を借りて、MAXで途中まで移動する、もしくは人気のミシシッピ地区の北側にあるので自転車でNorth Mississippi Aveから来るのもありです。参考は過去記事をどうぞ(ポートランドのボヘミアンネイバーフッド/ミシシッピ通り)。

ドラマPortlandiaを観たことがある人なら、外観で分かるはずです。あのToniとCandaceが出てくるWomen and women firstです。店の外では"おにいさん達"が写真を撮り合っていました。ちょっとした観光地でもあります。As seen on PORTLANDIAと書かれていました。

実際に店内に入ると、まさに女性2人の店員さんがいました。ハーイ、と挨拶。カウンターの背後にはドラマでお馴染みのカレンダーボード。ミーティングスペースも兼ねた広い店内。本だけに限らず雑貨もあります。もちろんコミュニティーセンターなので、イベントの案内や様々な情報が手に入ります。色々ありましたが、一番の発見はまさかのViginaアート。Vigina塗り絵に、Viginaペンダント。うーむ。
知る人ぞ知る世界だと思いますが、こうした書店はニューヨークにもありました。ブルーストッキングス(Blue stockings)という店で、ローワーイーストサイドにあります(http://bluestockings.com/)。店自体は同じコンセプトを感じますが、違いは立地する場所の雰囲気が与える影響です。Blue stockingsはニューヨークでも、ローワーイーストサイドにあるので、良い意味で都会的にゴミゴミしたエリア。何やら緊密な雰囲気です。ジェイン・ジェイコブスが讃えるあの質感。一方で、ポートランドはのんびりしています。空が広いなと感じるこの感覚。戦う雰囲気さえも感じたニューヨークと、ひたすら自分の道を探求する雰囲気のポートランド。場所や環境の雰囲気が、人間の思考や議論に与える影響は無視できません。

それにしても、Portlandiaはおもしろいです。スケッチコメディなので、様々な種類の笑いが含まれていますが、中でも「知的さ」という点では、Women and women firstが登場するフェミニスト書店のシーンがおもしろい。「政治性と下ネタを織り交ぜた過激でぶっとんだ知的さ」はなかなか日本のコメディーでは見られず残念です。コメディという手法を借りれば、より効果的に社会的なメッセージを伝えられるのに。あくまでも笑いながら、でも時折まじめなことを考えさせられるのは、フレッド・アーミセン達、番組スタッフの天才的な手腕ですね。

"In other words":http://inotherwords.org/
 昼間から夜7時まで。日曜日と月曜日はお休みなので、気をつけてください。

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

ポートランドのボヘミアンネイバーフッド(ミシシッピ通り)

ポートランドの魅力はボヘミアンな雰囲気の街並み。もちろん自転車で周ると最高です。ダウンタウンから出発し、最近注目を浴びているノースミシシッピ・アベニュー(North Mississippi Ave.)を目指します。まだまだラフでインダストリアルな雰囲気は残っていますが、個性派ぞろいの面白い店が立ち並んでいました。地元の人達の休日を真似てみました。
 早速ダウンタウンで自転車を借りました。Waterfront Bicycleという店は、路面電車MAXのSkidmore Fountain駅の近くにあります。日本からネット予約をしておくと便利です。一日40ドルと高めの値段ですが、それ見合いの立派な自転車を貸してくれます。アメリカでは日常的なハイブリッドタイプの自転車で、快適にスピードを出せて気持ちが良かったです。ヘルメットとU型ロックも忘れずに借りましょう。とても親切なおじさん店員。ルートプランニングも手伝ってくれました。交通量や舗装状態によって走りやすさが色塗りされた地図を入手しました。初めての街でも時折地図を確認すれば安心。それにしても、どこに行っても自転車屋の店員は親切です。ナパバレーでもそうでしたが(過去記事)、ゆとりがある雰囲気。アメリカの自転車文化は日常生活に根ざしたものでありながら、何か特別なものがあるのかも知れません。そもそも値段からして、結構高いのです。比較的ゆとりがある人向けなのでしょうか?

まずはNorth Mississippi Aveのスタートへ。路面電車MAXに自転車を乗せて向かいました。途中までの道が分かりづらかったからです。ポートランドでは路面電車に自転車を乗せられるので、疲れたり道に迷った時には、路面電車に頼るのもありです。車内ではスタンドがあり、前輪を頭上のフックへ吊るし、後輪は床のガイドに通します。自転車をぶらさげておくイメージです。

Albina Mississippi駅で降ります。周囲はちょっと寂しい雰囲気。やはりミシシッピ地区は最近注目を浴びてきたばかりなのです。現在進行形の街並み。工場や倉庫、廃墟も立ち並んでいて、タフでインダストリアルな雰囲気ですから、暗くなってからは止めた方がよいと思います。さっそくNorth Mississippi Aveを進みます。最初の15分は辛抱。寂しい景色、そして何気に坂道が続きます。それでも道は一本で分かりやすい。ロサンゼルス・ダウンタウン(チャイナタウン方面のあの乾燥した孤独な雰囲気)のようなイメージです。
そして坂を上りきるとお待ちかねの街並み。 どうでしょう、なかなかボヘミアンな雰囲気です。写真よりも数ブロック北に移動した、Beech St周辺が一番賑やかでした。ビンテージ服ショップにレストラン、マイクロブルーワリーも発見。気の向くままに店を眺めましょう。地元の人達で賑わう、穏やかで美しい休日の昼間に心が和みました。タコスで有名なタケリア(メキシコ料理屋)の"Por que no?"はFremont Stを過ぎたところにあり、さすがの行列でした。のんびりした雰囲気が好きな人におすすめの街並みです。そして店舗や商業施設のデザインやディスプレイを知りたい人にもおすすめで、個人経営の小さな店をやっている人には、一つ一つの要素が参考になるかも知れません。計算してないように見せながら、徹底的にマーケティングしている店ばかり。お店ガイドは、地元の商工会議所?とも言える団体が運営するこちらのサイトをどうぞ(http://www.mississippiave.com/)。
ミシシッピ通りは人通りがあるのですが、一歩路地に入ると途端に寂しい雰囲気になります。再開発が注目されるということは、その裏にある歴史を知っておく必要があります。ミシシッピ地区は、かつて第二次世界大戦を通じて軍艦等の造船が盛んになり、大量の労働者を確保すべく、アフリカ系アメリカ人が流入してきた街。戦後にコロンビア川の大洪水が起きた際、大変な状況で彼らは残されてしまい、決して恵まれた状況に置かれなかった地区なのだそう。そんな歴史を持つ地区の再開発を、ジェントリフィケーションと呼ぶのか、それとも活性化と呼ぶのか。つくづくアメリカは興味深い社会だなと実感しました。

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

Nov 14, 2013

ファーマーズマーケットの開催は日本では難しい

おいしい朝食を食べながら考えました。ポートランドのファーマーズマーケットのようなイベントを日本では実現できそうに無い理由です。ファーマーズマーケットとは、牧歌的な光景に見えながら、人々を啓蒙しようという教条的な理念と、資本主義とが高度に結びついた、大人のプロ集団による本気の舞台なのです。
 ・ファーマーズマーケットで「地域活性化」する必要がある程、そもそも日本の社会はそこまで荒廃していない。

ファーマーズマーケットは「地域活性化」に欠かせないイベントであり、道具です。しかし「活性化」とは地域の賑わいや経済効果を期待するものである以上に、地域の更正、荒廃からの復帰という、より政治的な使命を帯びているものを意味します。時には宗教的・教条的とさえ感じさせる緊張感と勢いも必要です。その為には、活性化の為に労力の注ぎがいがある程の徹底的に荒廃した社会が必要です。そして荒廃/活性化の対立軸において、それぞれの状態を作り出す要素(地域住民)が徹底的に異なる性質を帯びていることが欠かせません。幸いにも日本にはここまで徹底した社会的な対立状況は表面化していません。表面化していないことが問題ということではなくて、そもそもの対立の度合いが比較的浅いということです。

結局ファーマーズマーケットは、ジェントリフィケーションを引き起こすための道具の一つと言えるかも知れません。比較的裕福で文化・教育水準が高い人達がファーマーズマーケットの会場に集うことで、世帯収入・人種構成の面で地域の雰囲気が変わっていくのです。その結果、取り残される人達が生まれ、負の側面が生じるのは事実ですが、プラスの経済循環が生まれ、ひいては税収につながる効果も否定することは出来ません。
それでは、どんな人々が訪れているのでしょうか。新鮮な野菜を親に食べさせてもらえる幸せな子供の写真です。子供に野菜を食べさせたいのに、なかなか食べてくれないという悩みは一般的ですが、そもそも、食べさせることが出来ないのだとしたら、より一層深刻な問題です。野菜は、肉や穀物、加工食品のようには簡単に大量工業生産が出来ないので、概して値段が高くなりかねません。自ずから1カロリー当りの値段も高くなります。健康的な食生活を送るためには、比較的豊かな収入が必要になるとは、皮肉な話です。炭水化物と脂肪に頼らない栄養摂取は重要な課題なので、手頃に野菜を食べられるようになるべきですが、金銭的な問題があるのです。そして人々の趣向の問題。炭水化物と脂肪の比重が大きい食生活と、彼らの趣向とを結びつけて、貴賎を論じることが出来るのか。いずれにせよ、野菜・炭水化物・脂肪のどれでも好きに取れるだけの選択肢が用意されるべきでしょう。その点、ベジタリアンチョイスが比較的豊富なアメリカはよいなと思います。

・彼ら自身で集団を結成した時のアメリカ人の意志と行動は徹底的。

ファーマーズマーケットの運営団体はユニークです。まずは構成メンバー(ボードメンバー一覧)。市職員(ポートランド市住宅局)とランドスケープカンパニーのメンバーが参加しています。法律や規則といったテクニカルな面の運用は重要なので行政の参与が必要なのはもちろん、民間業者であるランドスケープカンパニーも参加することが、「活性化」の為に必要とされる原動力をもたらしているはずです。彼らにとって有益でなく、価値もないことを民間業者が行う理由はありません。資本主義の理論が染み渡っているのです。日本風に言えば、行政・不動産デベロッパー(更に私鉄の鉄道会社?)が皆で運営しているイメージでしょうか。やはりプロ集団の力が必要です。特にマーケティング技術と志向。理念は大事ですが、本当に理念を実現するためにはプロ集団の技術と、資本主義と収益性に裏づけられたパワーが欠かせないのです。

そして参加農家に求められるルールもストリクト(ベンダーになるための条件)。これは本気です。誰が決めたか分からない、漠然と決められた規則に結局は従っているという曖昧なものではなく、自分達で決めた厳しいルールを互いに守り、参加者にも課すというダイナミズムがたまりません。

最後に。
 地域を更正する。人々の味覚を更正する。そして人々の音楽に対する感性を更正する機会をも与えてくれます。オートチューンに毒された耳を癒す為のバンド達が会場には数多くいました。オールドタイムやブルーグラスのバンドが多かったです。爽やかで明るい、落ち着いた初夏のポートランドにぴったりの音楽。気持ちよかったです。

それにしても、アメリカが本気で社会的な運動、行動を起こした時の迫力と気合には追いつくことが出来ません。日本がポートランドのファーマーズマーケットから学ぶものがあるとすれば、ファーマーズマーケットは決して牧歌的なものなのではなく、技術的(マーケティング、自主ルールの作り方)なプロ集団の力が必要なのだということ。そして新鮮な野菜、健康的な生活を掲げ、人々を啓蒙するという教条的な思想と、資本主義(民間業者や行政を巻き込むための理由)が高度に結びついた舞台であるということを知る必要があるでしょう。それでも、スーパーに行けば新鮮な野菜が手頃な値段で十分に買える国であっても、面倒くさいことをしてまででも、彼らのファーマーズマーケットを真似てみる価値は十分にあると信じます。

難しい話はさておき、おすすめのショップ&食べ物はこちらから。
おいしい食べ物自体はもちろん、気候も会場の雰囲気も全てが最高でした。
「ポートランド・ファーマーズマーケットで見つけたおすすめ」
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/10/12.html 

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

Oct 26, 2013

ポートランド・ファーマーズマーケットで見つけたおすすめ

とても気持ち良い雰囲気のファーマーズマケット。散歩と朝ごはん、お土産を買うのにも最適でした。ポートランドのエッセンスが詰まっています。見ているだけで楽しいベンダーと会場の写真を紹介します。とにかく、うまいものばかりです。さすがポートランド。
1992年から始まったファーマーズマーケットは、ポートランド市内の7カ所の会場で開かれています。今回は毎週土曜日の午前中に開催している、PSU(Portland State University/ポートランド州立大学) 会場を訪れました。毎日いずれかの会場で開催されているので、何曜日にポートランドを訪れても参加できますね。PSU会場が最もベンダーの数が多くて賑やか、かつ観光でも訪れやすい場所にあるので、土曜日に訪れることが出来て幸運でした。

会場は路面電車MAXのPSU/SW 6th Montgomery駅から、SW Harrison St.を2ブロックほど歩いた公園にあります。緑と木漏れ日が美しい広場です。周辺は大学キャンパスを形成していて、大学関連の建物が立ち並んでいます。街中のキャンパスでありながら、緑が豊かで美しいです。

みな、思い思いにくつろいでいます。たくさんの人で賑わっていましたが、決してゴミゴミはしておらず、あくまでも落ち着いたリラックスモード。こちらの人は基本的な動作や仕草が、何やら落ち着いていますね。そして家族、ご近所さん?含めて、休みの日をこうやってのんびりと過ごすなんて、うらやましいです。それにしても、お客さんはコケイジャンばかり(約8割?)。ポートランドの街中を歩いた限りでも、それほど人種的多様性を感じませんが、ファーマーズマーケットはより一層その傾向を感じました。



色の洪水!日本では見かけない野菜も多々あり、眺めているだけで楽しいです。どんな料理にしたらおいしいのか。そんなことを考えながらの散歩は、foodie pleasureでした。アーティチョークは日本では見かけませんね。どのベンダーも野菜をどさっと、ラフに積み置きしている印象ですが、実は色取りや見栄えをしっかり計算しているはずです。オレンジ&赤のミニトマトの色のコントラスト。美味しそうに見える山積み具合。視覚的な印象は重要です。しっかりと考察を踏まえ計算しているのに、あくまでも自然体に見せるのです。

朝食のおすすめ
・「パールベーカリー」Pearl Bakery http://www.pearlbakery.com/
パール地区(パウエルブックストアの近く)にあるパン屋はファーマーズマーケットにも出店しています。ずっしりとしたバナナブレッドがおいしかった。近くにはコーヒーベンダーもありました。地元な有名なパン屋として、サンフランシスコ・ミッション地区にある「タータイン」 Tartineのような存在でしょうか?(過去記事

・果物もあります。ベリー系の充実っぷりはアメリカらしいなと思います。 桃もありました。皮をむかないで、食べている人を見かけました。おなじみの食材でも、食べ方が少しづつ異なるのが、外国で見つけた小さな発見です。小さな違いがおもしろいですね。

・もちろんミートラバーも満足できるベンダーはあります。ホットドッグの店、アルバータ通りで有名な「パインステートビスケット」Pine State Biscuitを見つけました。フライドチキンを挟んだビスケットサンドイッチが絶品です。かなりの行列でした。名前は忘れてしまいましたが、サラミの店で試食したドライサラミも最高。

おみやげのおすすめ
・「フレディーガイズヘーゼルナッツ」Freddy Guys http://www.freddyguys.com/
ポートランドでよく見かけるヘーゼルナッツを買うならぜひここで。試食させてもらって、店の人と会話をしてコミュニケーションを取りながら買ったお土産はより一層、思い出に残りました。ガーリック風味はビール党、チョコがけは皆にぴったり。愛想のよい店員さんでした。

・「チェリーカントリー」Cherry Country http://thecherrycountry.com/
オレゴン名物のさくらんぼの店です。きれいな箱に入ったチョコがけのさくらんぼは日本人の お土産にぴったりだと思います。ギフトらしい体裁を望むのならば。この店はBS-TBSの「アメリカの街」という番組に登場していました。 家族経営です。日本のテレビで見たよ!とお姉さんに話しかけたら、何やら嬉しそうでした。

行きたい店リストなんて作らないでください。いっそ事前情報を仕入れないで訪れた方が感動が増すかもしれません。食べ物を食べるという当たり前の行為がこんなにも神聖で重要なんだと、再発見をしました。工業生産された加工食品を大量に消費する国でありながら、アーティサナルな食文化も世界に発信するアメリカのパワー。良い方向にも、悪い方向にも、食文化を牽引する力を持った国なのです。そしてポートランドの食文化!じわじわと伝わってくる感動が気持ちよかったです。

後半では、こうしたファーマーズマーケットの日本での開催が難しそうな理由、それでも真似する価値があるのではないか?と考えてみます。
「ファーマーズマーケットの開催は日本では難しい」
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_14.html

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

Oct 6, 2013

自然の遊び場 ポートランド・ワシントン公園

観光ガイドブックで必ず目にするポートランドのワシントン公園。手軽にハイキングをしてみませんか?一番のお勧めは、樹木園(Hoyt Arboretum)と、Wildwood Trailという森の中の散策路。Pacific Northwestらしい豊かな森林の風景を手軽に楽しめました。定番の観光地の一つであることに間違いはないけれど、決して賑やか過ぎず、落ち着ける雰囲気であるのがポートランドならでは。ニューヨーク・セントラルパークをデザインしたオルムステッドの一族がデザインした公園でもあります。一日では物足りませんでした!
ポートランド市内からは、路面電車MAXのWashington Park駅で降りてください。ダウンタウンから近いです。公園の地下に位置する駅からエレベータで地上に上がると、そこがもう公園です。駅前からは園内を一周するバスに乗れます。また動物園、World Forestry Center(世界の樹木について学べる博物館)は駅の近くです。日本庭園、バラ園は駅からは距離があるので、バスが便利です。時間があれば公園の森林を駆け巡る列車(Zoo Railway)も楽しそう。いずれにせよ、季節によって運行状況が異なるそうなので、ホームページで確認した方がよさそうです。
まずはバラ園から。どうしても行く場所を一つに絞らないといけないとすれば、バラ園は欠かせません(正式には国際バラ試験庭園/Rose test garden)。こんな美しいバラ園を無料で楽しめるだなんて。みな思い思い楽しんでいます。外国の人は写真をパチパチ撮るイメージがあまりなかったのですが、さすがに花の美しさを目の前にして、記念撮影をする人、バラを熱心に撮影する人を数多く見かけました。更に冒頭の写真のように、ミュージシャンがハープまで弾いています。ハープ、バラ、からりとした空気、光の質感、青空。全ての美しさを自分で感じ取る、感性が磨かれる感じがたまりません。ディズニーランドとかに、何千円もはたいて行くことが馬鹿らしく感じてさえきました笑。
そして一番のおすすめは、樹木園(Hoyt Arboretum)と、Wildwood Trail。MAXの駅からバスに乗り樹木園のビジターセンターへ向かいます。本数が少ないので注意。駅前のForestry Centerで時間を潰していました。ビジターセンターでは、親切なボランティアのおばあさんが、ハイキングの計画作りを手伝ってくれました。「Pacific Northwestらしい風景を見たい」と伝えたら、丁寧にマーカーで地図にメモをしてくれました。今回の旅行で出会ったポートランドの人はみな親切です。そして初対面の人とも社交的。このビジターセンターにはトイレもあるし、ボトルウォーターも売っている。ギフトショップもあるので便利です。
ビジターセンターの周囲が樹木園。そこを抜けると、Wildwood Trailです。このトレイルはワシントン公園を抜けて、フォレストパークというより本格的なハイキングエリアへと通じています。岩場がなく、傾斜も緩やかで歩きやすい道でした。トレイルランをしている人も見かけたので、海外でランしてみたいと思っている人にも、ぴったりでしょう。イメージは、神戸にある森林植物園を何倍も大きくした感じです。
 
美しい森林。言葉は要りません。樹木園の園内はテーマによって植生が異なります。もちろんアメリカ北西部らしい森林も見れます。一枚目の写真です。セコイヤ、レッドウッドのうっそうとした雰囲気が美しい。わざわざ山奥に行かないでも、ポートランド市内でお目にかかれるとは。ポールニューマンの「わが緑の大地」という映画のような光景です。Ken Keseyの"Sometimes a great notion"という小説そのもの。二枚目の写真がWildwood Trail。普段はランしない自分でも、トレイルランにはまる人の気持ちがよく分かるトレイルです。フォレストパークまで行くと結構遠いので、ピトックメゾン(Pittock Mansion)までトレイルを往復しました。ピトック邸に行きたいとビジターセンターで伝えれば、道を教えてくれました。ちなみに、日本の公園とは違って、食べ物を売っている場所をほとんど見かけませんでした。公園に行く前に昼ご飯を用意しておいた方がよさそうです。

それにしても理想的な公園でした。まるでディズニーランドのように、徹底的に理想と夢を追求したという雰囲気があります。あくまで自然体を装いながら。それもそのはず、ニューヨーク・セントラルパークを設計したオルムステッドの一族が携わった公園なのです。ジョン・チャールズ・オルムステッドという人です。兄弟で「オルムステッド・ブラザーズ」という会社を興していたのです(コーエン、リーマンにならぶ有名兄弟?)。

とはいえ、そもそもは公園設計の知識も何も無いドイツ人の設計家が見よう見真似で公園をデザインしたのが発端であったとのこと。彼の中にある母国ドイツの公園の記憶を頼りに設計したのだとか。あくまでも自分で何でもやってみるDIYの精神で、アーティサナルなヨーロッパを再現してみせるというのは、まさにポートランドらしいです笑。

そしてこれじゃいけない、と気づいたのか(DIYには素人の限界があったのか?)、オルムステッドがリデザインして今の姿になったそう。いずれにせよ、ヨーロッパ的な美しさ(彼らが美しいと思うもの、それは全世界的に絶対的に美しいということではなくて)と下地が横たわっています。公園そのものの美しさ。そして公園を取り巻く社会環境の存在(ヨーロッパに比べれば薄いが、やはりアメリカには階層というものがあり、階層と文化教養のレベル差が文化資本の度合いとして連動していること)。コケイジャン文化をここにも垣間見ることが出来るあたり、アジア、日本ではあまり目にすることが無いものとして、いわゆる異文化に触れた時の発見と感動を覚えるのかも知れません。

そもそも皆のための公園というものは、なかなか存在することが難しく、階層と文化レベルの差が結びついている社会であることが、美しい公園が存続する為の条件なのかも知れません。ですので、かつてのドイツ人設計家のように、見よう見まねで日本にもワシントン公園を再現しようとした所で限界にぶちあたりそうです。

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

オレゴン州の日系人

日系人の足跡に興味があります。ポートランドの日系アメリカ人記念館/Oregon Nikkei Legacy Centerを訪れました。カリフォルニアなど他の大都市に比べると日系人コミニティの規模は小さいですが、ここオレゴン・ポートランドでも彼らの足跡を学ぶことが出来ます。もしも自分の先祖がアメリカに移住していたら?と考えると、何やら人事ではない気がしてくるのです。
日系アメリカ人センターはチャイナタウンの近くです。路面電車MAXのOld town/Chinatown駅からDavis St.を歩いて1ブロック。Davis St.をこのまま歩くとクラフトミュージアム(過去の記事)があるパール地区。ポートランドは1ブロックの距離が他の街よりも短いので、散歩するのにも便利な街です。
クラシックな雰囲気の建物が並ぶ街並みからは、アジア系、そして日系人の面影を感じることはありませんが、オールドタウンと呼ばれるこのエリアには、かつて日系人の商店やホテルが立ち並んでいたのだそう。LA、サンフランシスコに比べると、あまりにも当時の名残を感じません。日系人の絶対数が少なかったのはもちろん、農業が盛んなオレゴン州では他都市以上に都心部から離れた農園で働く人口の割合が高く、居住区域としての需要が都心部にそれほど求められなかったという理由があるのではないでしょうか。LAだって農園はあったと思いますが、あまりにもオレゴンは山がちで、移動が容易ではなかったのでしょう。

センターでは職員が簡単に説明をしてくれました。自分はもう社会人なのに博物館や教育施設に来ると「あなたは学生?専攻は?アメリカには留学に来たの、それともビジター?」と間違われてしまいます。そして「なぜポートランドに来たの?なぜ日系人について知りたいと思ったの?」と聞かれました。特に深い意味の無い挨拶のような会話ですが、改めてこう質問されると色々と考えることが多いです。どんな場面でも簡潔に自分の意見を言えるようになりたい。

「この施設は展示の為の展示にとどまらず、オレゴンに住む日系人に関する教育・研究拠点であり、彼らを結びつけるきっかけ(socialize chances)を設ける為の場所でもあるのだ」と職員が語ってくれました。彼らを結びつける為のきっかけを作る、という発想は好きです。そしておもしろいことに、説明をしてくれた職員を含め、他の方達も必ずしも日本人の血が入っている訳ではないばかりか、自分が訪れた日にはコケイジャンの方しかいませんでした。とても興味深いことです。日本人・日系アメリカ人のこと、マイノリティである私達以外の大多数の人達に興味を持ってもらうことは重要です。レーガン政権時代に日系人の名誉回復がされて以来、どのようなメッセージを伝えられているでしょうか?問題を問題として認識して欲しいと、幼稚に声高に主張するつもりは到底ありませんが、存在感を示したいです。

ちなみにオレゴン州には「オリエント」という小さな町があるそうです。昔、スコットランド系男性に嫁いだ日本人女性(いわこしみよ さん)にちなんで名づけられた街なのだとか。まだまだ語り継ぐべき日系人のストーリーはたくさんあります。

ワシントンDCの日系人記念碑も必見です。渡辺謙さん&ミネタ元DOT(アメリカ運輸省)長官のインタビュー番組に登場していました。(過去の記事です)
「日本人なら忘れてはいけないモニュメント」
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/07/blog-post.html

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

Oct 2, 2013

ポートランド・クラフトミュージアム

さりげないセンスが光る、ポートランドのクラフトミュージアム。陶芸好きはもちろん、地域と美術館の関係を考えている方にも良いネタになるのでは?ポートランド中心街のパール地区/Pearl Districtにあります。かつての倉庫街がアート地区として再開発されたエリアです。同じような背景を持つニューヨークのSOHOやチェルシーみたいに、ギラギラしていないのがポートランドらしさでした。「グリーンネイバーフッド ー 米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつかいかた」を読んで関心を持った方、まずはパール地区・クラフト美術館から街歩きを始めてみてはどうでしょう?
 クラフトミュージアム/Museum of Contemporary Craftは、路面電車MAXの"NW 6th & Davis St"から、Davis Stを1ブロック歩くとすぐに到着。NWはもちろんNorth Westのことで、ポートランドの町は東西南北に分かれて、それぞれNW・NE・SW・ SEと呼ばれています。街の中心街、そしてパール地区はNWに属しています。美術館の建物はごくごく自然に街並みに溶け込んでいました。うっかりすると通り過ぎてしまいそうな、おとなしいこの建物が美術館です。
中は1階と2階に分かれていて、1階では企画展、2階では常設展。入館料を払って、まずは常設展からスタート。こじんまりとした展示でしたが、さりげないセンスのよさ。さっそくルーシー・リーの作品を発見。有名なピンクの器がありました。大阪の東洋陶磁美術館で見た時のままでした(ルーシー・リー展)。 ガラス、金属、木、陶器、磁器と素材の違いで印象が大きく異なります。眺めているだけでおもしろいし、そして日常生活で使ってみたい、自分の家に飾ったらどうだろうか?と考えてしまいます。日常生活との近さが魅力です。
そして企画展は「The Bowl」というもの。地元作家が作った器を住民に貸し出す。自分で料理を作って盛り付ける、そしてみんなで食べる。最後にその写真をtumblrに投稿してシェアするという企画だと、キュレーターが教えてくれました。fun.のボーカルにも似た、文科系の人でした。

こうした企画を通じて、コミュニティーと地元の美術館が結びついています。日本でも比較的小さな地方都市でこそ展開しやすそうな活動。今時は、「地元財界の名士が集めた豪華コレクションをどーんと大公開」だなんて、明治時代ばりの見せびらかしの趣味はクールではありません。地元作家の作品を地元の人が愛でる、しかも日常生活の中で。なんて暖かいのでしょう。

ただ漠然としたまま活動を終わらせないようにするには、「地元の人、コミュニティーを日常の芸術を通じて啓蒙してやるのだ」という多少の上から目線があったほうが、方向性がきちんと定まりそうです。健全で優しい心の持ち主である、日本人には啓蒙思想はうっとうしいかも知れません。しかし、コミュニティーとの付き合い方が「お友達感覚」程度では、メッセージ性や何か主張したいことを伝えきれなくなってしまいかねません。

キュレーターは折角だから貸し出してあげるよ、と誘ってくれましたが旅行中なので断念。残念。代わりにギフトショップでローカル作家の作品を手に入れました。クラフトなら「サタデーマーケット」も良いのですが、クラフト美術館のギフトショップの方が、よりアートっぽくて、洗練された雰囲気です。デパートのアートコーナーを、もっと若者向けに自然&モダンな雰囲気(要するにゴテゴテしない)にしたイメージでしょうか。サタデーマーケットは良い意味で手作り過ぎるのです。

そしてこのショップの職員がとてもフレンドリー。「食事と器の組み合わせを考えるのは楽しい」と話をしていたら、「私が日本(京都)に留学していた時、決して高級ではない街の居酒屋でも、そして家庭でも、日本人はより日常生活に近い場面で、食事と器の組み合わせというアートを実践していたのよ」と京都に留学経験があるという職員は感想を教えてくれました。普通の人が、日常生活で実践しているという点は重要ですね。高級で洗練された店やシーンが素晴らしいのはどこに行っても当たり前で、日常生活でいかに実践出来ているか?が真のかっこよさでしょう。エコノミックアニマルに過ぎない日本ですが、私達の日常生活は何気に文化的な側面を大事にしているのですよ笑。

最後に番外編。 
 みんなでペダルをこいで進んでいくビール自転車。カメラを向けるとポーズをとってくれました。皆さん気さくです。そしてポートランドでは(というかアメリカでは?)、初めて会う人にも、こちらからニコっと笑顔を見せると、相手も快く対応してくれるケースが多いような気がしました。日本にはあまりない習慣かもしれませんが、コミュニケーションを取る上では、大事なことかも知れません。キュレーターも、ギフトショップの職員も、短い時間でありながら心地よい会話を導き出してくれる人達でした。初めて会う人とのコミュニケーションが上手です。社交性が多いにもとめられる社会ならではなのでしょうか?

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

Aug 23, 2013

ポートランドの地ビール祭り

クラフトビール(地ビール)は好きですか?オレゴン・ポートランドで毎年7月に開催される"オレゴン・ブルワーズ・フェスティバル/Oregon Brewers Festival"の雰囲気をレポートします。アメリカのビールがまずいだなんて、今ではウソです。ブログで味は伝わりませんが、雰囲気だけでも伝えられればと思います。 (http://www.oregonbrewfest.com/
アメリカは想像以上にクラフトビールが盛んな国、中でもポートランドは聖地なのだとか。そのポートランドの中心部、コロンビア川のほとりの公園が会場です。北西部の夏らしく、澄み切った青空、そして夏の夕暮れらしい風と光の質感。こんな最高の環境でクラフトビールを満喫できるなんて!
入場時には年齢確認があるので、必ずID(パスポートか、現地の免許証)を持っていきます。しっかりと生年月日を確認されます。アルコールに関しては、日本以上に厳しい国なのかも知れません。厳しいゲートを抜けたら、後は全てを忘れて楽しみましょう。

まずはグラスとコインを購入します。おみやげにも最適な結構しっかりとしたつくりのビールグラス。そしてコイン1枚=試飲(グラス1/4杯分)、4枚=グラス1杯分飲めます。旅行当時は1ドル=約98円でしたので、日本のオクトバーフェストよりもお手頃ですね。
写真右側がブルワリーのブースです。一斉に並んでいます。好きな所に並んで、コインと引き換えに注いでもらいます。どのブースも奥にサーバーが置いてあって、一度ピッチャーに移し替えてから、お客さんのコップに注いでくれます。ここはアメリカ。どんなに行列が出来ても、スタッフを急かしてはいけません。焦らす気も、焦る気も、必要ありません。

とりあえず一番混んでいたブースでIPAを飲みました。とにかく、うまい!迷ったら一番混んでいる所にとりあえず行ってみるのがいいかも。その後も、他のブルワリーのIPAばかり飲んでいました。ひとまず1ドルで各種スタイル(IPA、ラガー、ペールエールなど)を試飲してみて、一番気に入ったスタイルのものを続けて飲むなんて、そんな楽しみ方はどうでしょう。
こう見えて、世界中からお客さんが来ています。どこから来たのか、ピンを立てようコーナーです。恥ずかしながら日本多いですね笑。ミーハー。かくいう自分達のグループは日本&韓国(ユースホステルの人達と一緒に訪れました)。ヨーロッパの人達も多いです。とにかくコケイジャンのお客さんが多かったのですが、アメリカ・ヨーロッパを問わず、クラフトビールは彼らのお気に入りというか、コケイジャン文化を代表するものの一つなのかも知れません。そして見かけで、どこの国出身かを考えるなんて、愚かなことですね。香港から来たというおじさんに話しかけられましたが、彼はコケイジャン。ミスターワールドワイドです。


みんな楽しみ方、リラックスの仕方が上手です。仕草や動作が落ち着いているというか、のんびりゆったりとしています。お酒が入っているので声量は大きいですが、声質が低音ぎみなので、決してやかましくはありません。アルコールが入るイベントでありながら、みなマナーがとても良いです。泥酔して潰れる人、騒ぎまくる酔っぱらいはいません。みなお酒の飲み方が上手です。お客さんたちのこの雰囲気、どうでしょう?幸せそうな人達を見ていると、こちらまで幸せになった気持ちがしてきますね。
会場ではライブミュージックも楽しめます。ダンスミュージックを奏でる、このアーティスト。インディーミュージックというか、楽器まで自作してしまう、究極の手作り感!DIY精神が根付くポートランドでは、音楽だって手作りに限ります。

そして会場の熱気はまだまだ続きます。20時を過ぎて、ようやく太陽が傾きだすと、少しづつチルダウンしていきます。サマータイムのお蔭で、21時まで夜が訪れません。残業しても、太陽の下でビールを楽しめるのです。ビールの味はもちろん、この最高の雰囲気を楽しみに来てください。 

ポートランドのまとめです。ご参考。
http://mytkychronicle.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4735.html

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