Dec 8, 2011

和食は健康?

「食生活の欧米化により、日本人の食生活は…」よく耳にするこの表現。食べ物の話をするのに欠かせない枕詞のような気さえもします。だけど、欧米化した食生活よりも和食は本当に健康的なのでしょうか?

天ぷら、すきやき、ラーメン、ぎょうざ、ちゃんぽん。炭水化物が多めな日本料理。


一言で「欧米化」とは言うけど、定義が広くて難しい。例えば「朝:スムージー、昼:フェイクミートのハンバーガー&クスクスのサラダ、夜:フムスとピタパン」というのは見事に欧米化された食事ですが、普通の和食よりも遥かに健康的に思えます。まず、オムライスやカレーライスは欧米の食べ物ではないでしょう。それらはもはや和食です。一方で、フムスやファラフェルなど、コッシャーの食べ物は和食以上に健康的そうですが、これらは立派な欧米の食事です。「欧米化」の定義を考えないといけません。何も高脂質/高たんぱく質の食事だけが欧米化だけではないはずです。その意味では、コッシャーやベジタリアン、ビーガンの食生活を参考にして「欧米化」される分には大歓迎でしょう。


では、和食の問題は?と言えば。


一つに炭水化物の多さだと思います。確かに脂質は少ないだろうけど、たんぱく質が少なくて炭水化物が多い。まさしくアトキンスの天敵。社会人になって初めた一人暮しで多少痩せたのは、気づいたら炭水化物をあまり食べなくなっていたことが大きな要因だと思っています。白米があまり好きでないのが幸いしました。そもそもキッチンのない寮生活で、わざわざご飯を炊くなんて面倒臭いのです。そう考えるとアトキンスには一理あります(やりすぎは禁物だけど)。丼ものや、ラーメン&うどん定食は体に良くないはずです。まだバーガーキングのワッパーの方が、トマトとレタスが入っている分、良いかも知れません。


米飯摂取と糖尿病の関係について、おもしろい記事をネットで見つけたので引用しておきます。
「米飯摂取と糖尿病との関連について」←国立がん研究センター
「White rice raises risk of type 2 diabetes」←Scientific American


二つ目は野菜やたんぱく質(肉・魚)中心の食事をとる難しさ。いわゆる「おかず食い」があまり良い習慣でないとされているから、どうしても主食=炭水化物の摂取が食事のベースになる。主食/おかず、という垣根を捨てて、せめて夕飯くらいは主食=炭水化物を抑えてもいいと思います。それに野菜やたんぱく質(肉・魚)は何気に値段が高い!実は日本は食料品の値段が他の先進国より高く、日本のエンゲル係数は比較的高めだという問題もあります。日経新聞に記事が載っていました。日本の農業や畜産業は非効率的なのか、生鮮食料品は決してべらぼうに安くはありません。


成長期には全ての食事をバランスよく食べる必要があるけれど、大人になってからは自分の体に合わせて食を選ぶべきですね。少なくとも主食/おかずの役割分担を必ずしも厳密なものとは考えないで、主食=炭水化物の量を減らすことが大事だと思うんです。

Oct 16, 2011

フィリップスコレクション(アメリカンモダンアート)

10月の3連休、帰省ついでに「フィリップスコレクション」を見に行きました。六本木の国立新美術館で開かれています。久しぶりの六本木。ミッドタウンの前にはメルセデスコネクションというショールームが出来てました。あいかわらず港区だなー。

フィリップスコレクションは、ワシントンDCにある私立美術館。鉄鋼業で財を成したフィップス家が築いたコレクション。「ヨーロッパに限らず、現代アメリカンアートでも自分のお気に入りがある限り飾り続ける」というのがフィリップス氏のモットー。自国の同時代の現代アートを支えたいという思いを持つ一方で、偏った愛国主義や一時的な流行とは距離を置いていたそうで、そのバランス感覚がいいですね。ヨーロッパ至上主義とでもいうか、「"おヨーロッパ"こそが文化の主流」という考え方は好きではないので、フィリップスの適度なバランス感覚に惹かれました。それがこの展覧会に興味を抱いた大きな理由の一つでした。

初めて見る絵が数多くあり視野が広がりました。それにしても、東京の展覧会は自分と同じ20代のお客が多い!自分と同じ年代で絵に興味がある人が数多くいることに救われる思いがします。展覧会に来ている若い人の多さは、イコール東京(首都圏?)の文化水準の高さを示しているとまで言うのは、さすがに言い過ぎでしょうか笑。

展覧は時代別に分かれつつも、それぞれにテーマが設けられています。一番気にいったのは「都市」に関するコーナー。ニューヨークの都会模様を描いた絵が何点かありました。大都会に対する感情と質感を見事に描いた絵ばかりで、かなり見入ってしまいました。
 
 
(http://american2011.jp/highlight.htmlより引用)


エドワード・ホッパー「日曜日」「都会に近づく」
ジョン・スタローン「冬の6時」
エドワード・ブルース「パワー」

この4点が最高でした。これらの絵を眺めながら思ったこと。JAY-Zとアリシャキーズの曲である"THE EMPIRE STATE OF MIND"がとても似合うなということ。ヒップホップがお似合いの絵画展なんて、なかなか存在しないかも知れませんね。

例えば"I USED TO COP IN HARLEM"の頃はホッパーの「日曜日」に登場する男性のようなイメージでしょうか。成功する前は誰だってこんな姿でほっつき歩いているもの。もっとも当時はマクドナルドも、レクサス(オフホワイト)も無かった時代ですが。そして成功する前の彼はきっと、「都会に近づく」の様なイメージの場所で活動していたはずでしょう。この絵はきっと、メトロノースがグランドセントラルに近づくにつれて、地下に潜っていく所だと思うんです。ちょっと物騒そうなあの界隈。ちなみに「冬の6時」もニューヨークでしょうか?お隣の人はシカゴだと言っていましたが(確かにシカゴのエルっぽい)、自分はニューヨークの地下鉄だと思います。とはいえニューヨークは夢をかねるための町。その内に"I'M THE NEW SINATRA"になった彼は、トライベッカ(デニーロのそば)に住みだすようになるのです。そこに登場するのが「パワー」の絵。その名もパワー。この作者自身が起業家として成功した人物だそうで、自己陶酔している面が多少あるかも知れません笑。なんたってパワーなんてタイトルをつけるくらいなもので。この絵とても気に入りました。文字通り"CONCRETE JUNGLE WHERE DREAMS ARE MADE OF"です。これ程に素晴らしい街ならば、「日曜日」でしょげている彼が座っている通りも"THESE STREETS WILL MAKE YOU FEEL BRAND NEW"だから、今すぐにがんばって欲しいもの。

モダンアートなので、全体的に雑誌の"ニューヨーカー"の表紙を見ているような印象を受けました。昔ホイットニー美術館に行って以来、モダンアートが好きになりました。日常生活で自分が感じる質感や電波を表してくれ、感動を与えてくれるのがモダンアート。こてこてのクラシックもいいですが、今に生きる人々にこそモダンアートが訴えるものは大きいと思いました。

Feb 15, 2011

今年のグラミー賞

グラミー賞が発表されました。



今年は何と言っても、Lady Antebellum。いわゆるコテコテのカントリーでなくて、とても聴きやすいし、歌詞もいいですよね。しんみり来ます。


そしてグラミー賞はマイナーなカテゴリーもおもしろい。もはや消えてしまったポルカ。ネイティブアメリカン、ハワイアン、ケイジャンといったカテゴリーもあります。アメリカが内に抱える歴史への配慮というか、多様なジャンルがあってこういう所がグラミー賞の奥深さかも。ちなみにハワイアンに関しては、こちらの記事が興味深い。


そして日本人受賞者。ビーズの松本さん、上原ひろみさんといい、さすがですね。誇らしい。とはいえ上原ひろみさんのように、日本/日本人という国境を越えて活躍する方には、純粋に"世界人"としてのご活躍をお祝いした方がよいのでは?「日本人"が"」という視点ばかりではなく。ただたんたんとグラミー賞を報道してくれればよかったのにと思いました。

Feb 5, 2011

スバル

車が欲しいなとたまに思います。ないよりは、あった方が便利です。例え街中に住んでいても。

インフィニティG(INFINITI HPより)。日本名はスカイライン。日産のインフィニティライン(スカイライン&フーガ)は、イチローや松久信幸さんを宣伝に起用していて、センスが秀逸。特に昨年モデルチェンジしたフーガ。あの質感を堂々と日本に売り出した営業方針には脱帽。垢抜けた帰国子女って感じですね。




とはいえ目の前に立ち塞がるのは予算という現実の壁。なかなか厳しい。そこで手の届きそうな範囲で欲しいなと思うのはスバル。昔は全く興味が無かったけど、最近のスバルは好き。日本のセールスが厳しいから、一挙北米市場に賭けてみた。その結果、今までに無かった程、垢抜けて日本に帰ってきた来ましたよ、という子。そんな風にとらまえています。


スバルすごい。(ウォールストリートジャーナルより)値段は手頃(現代のソナタとさほど変わらず)なのにフル4WD。車の性能、質感も問題なし。超メジャーブランドではないかもしれませんが、よいポジションですよね。相当な賭けだったんだとうなと、苦労が思われます。

3ナンバーになって車体が大きくなってしまった。レガシイのデザインが何だか気に入らない。こんな意見もあると思います。それでもそういう意見がありつつも、北米チックなスバル、留学から帰国して見違えるように垢抜けたスバルに惚れ直した人も少なからずいるのでは。


YOUTUBEで見つけたこのCM。版権の関係等で難しいでしょうが、つべこべ言わずこのCMをこのまま(シンプルに日本語字幕だけで)日本で流す。それだけでいいと思います。


ちなみに写真はブルックリンで見かけたインプレッサ。こういう青色の車が欲しい!


スバルのLOVEキャンペーン。シンプルだけど、それ故のメッセージ性に脱帽。

Jan 30, 2011

ビーチサイクリング(サンタモニカ~マンハッタンビーチ)

ロサンゼルス旅行最大の難点は、車がないと不便なこと。車移動が前提な街だけにバスや電車での移動は大変。ましてや慣れない土地でのレンタカー移動は結構不安なもの。そこで思いついたのはサイクリング、自転車での移動("Los Angeles on $100 a Day" NYタイムズより)。どうせなら気持ちよい道を走りたいと思い、サンタモニカからマンハッタンビーチまでサイクリングを2010年GWに試してみました。

今回のコースは約20キロ。自転車ノンストップだと約1時間くらいでしょうか。のんびり寄り道しながらが楽しいので、最低半日は時間を費やす価値ありです。道は基本的に自転車専用レーンが続いています。単純にビーチを走るだけですが、途中のマリーナデルレイのみ少々複雑。曲がるポイントは地図上の"!"をご参考に。


動きやすい格好、水、最低限のお金は必需品。そして出来れば持ち歩きたくないですが、パスポートも。レンタル時にIDとして必要でした。日本の免許証で許してもらえませんかね??これだけそろえれば準備完了。

有名過ぎるこの場所から出発。サンタモニカピアの看板をくぐり、進行方向左側からビーチへ降りる。SEA MIST RENTALSという店でレンタルしました。1日借りて15ドル。レンタル時にはIDが必要なのでパスポートをお忘れなく。ついでに自転車用のカギ(ワイヤーとカギ)を借りると便利。店に立ち寄る時など、パイプなどに結び付けて止めておけます。カゴも貸してくれるので、荷物が多くなりそうな方はぜひ。種類も台数も数多くあり、スタッフも親切なのでお気に入りの1台を。

サンタモニカ~ベニスビーチは人通りが多い。特にベニスビーチは道が混んでいました。道が結構砂に埋もれていて、部分部分降りて押さないといけなく、結構しんどかった。広いビーチでバレーをする人達、ベニスビーチならではの胡散臭いお土産屋。想像していた通りの光景だけど、日差しと風の質感だけはどんなにがんばっても文字では表せない。なんていう質感なんだろう。


ベニスビーチまではビーチを道沿いに走ればOK。ベニスビーチの終点からマリーナデルレイに入る曲がり角が分かりにくいので、一つ目の"!"を参考にしてください。交差点の近くにはレストランがたくさん。標識を見た上で、WASHINGTON BLVDに入っていれば大丈夫。WASHINGTON BLVDをまっすぐ進み(公道だけど自転車レーンあり)、二つ目の"!"を右折。このポイントで道路上の自転車レーンが消えますが、右手の小道に続いてます。

しばらくマリーナデルレイのハーバーをぐるっと周ります。これが現実の風景なんですよ笑。鈴木英人さんの絵の世界を実現したらこうなるんだろうな。冗談ですが、こういう何気ない景色がとっても絵になる!この近くにあるハンバーガー屋(THE COUNTER) はオススメ。カスタムビルドで自分の好きなハンバーガーを作れる楽しい店です。


ハーバーを抜けたら、地図上の細い部分(川沿いを走ります)を通って、またビーチに戻ります。ここから先は地味なビーチが続きます。かなりローカルな雰囲気。地味だけどあいかわらずいい感じ。




ロサンゼルス空港が近づいてくると、景色はむさくるしくなる。インダストリアルエリアを通過します。空港、石油基地、発電所、大型コンテナ船。むさくるしいはずなのに、SOCALの質感がエフェクトを効かせてました。滑走路から飛び立つ飛行機の真下を走るのは大迫力。発電所(EL SEGUNDO)もなんだか爽やか。こんな場所にまで芝とヤシの木があるんです。


いよいよマンハッタンビーチに到着。ランドマークの桟橋です。この左手が急坂でマンハッタンビーチの賑わいが盛んな通りでした。ローカルな雰囲気だけど、相当に洗練されていてきれいな場所。居心地が良すぎて、逆に居心地が悪い、肩身の狭い思いを若干することになったくらいなもんです。

ジャンバジュース。雑貨屋。ギャラリー。夢の世界かと思ったくらい笑、洗練されてました。他の場所に比べても、一段上なような気がした。確かに居心地は最高。けれど同じくらい居心地の悪さというか、若干の気まずさも感じた。おとなしくジャンバジュース飲んで帰りましたよ。居心地がよければよい程、同じくらい肩身の狭さを感じるというのが、よくも悪くもアメリカに行く度に思う感想の一つでした。

来た道を帰りましょう。夢の世界にも別れを告げます。レンタサイクルの返却(=閉店)時間を確認しておいてください。営業時間内に返せないとややこしい。疲れもあるので、来た時間の1.5倍を見込んだ時間にマンハッタンビーチを出ます。 来た時間を計っておくと便利かも。






そして再びサンタモニカに帰って来ました。いやー、疲れました。爽快な疲れです。レンタルサイクル屋の脇にビールスタンドがあったので、さっそく乾杯。なんて段取りのよさなんだろう、みんな考えていることは同じなのか?

風と日差しの質感、socalのエフェクトをじわじわと感じた一日でした。車がないとロスを周れない、貧乏旅行だから自転車に乗る。そうではなくて、重要なのは発想の転換。自転車だからこそ、見れるものがありました。環境にも健康にもよい自転車旅行をこれからも機会があれば、体験していきたいです。

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