Jun 20, 2015

ニューヨーク、その名も究極のベーグル

ニューヨークにあるアブソリュートベーグル (Absolute Bagels)。その名前の通りに究極かどうかは別にして、さすがに本場の味。朝に訪れました。アッパーウエストサイドの街並みに溶け込んだお店に、通勤客、近くの学生、家族連れが次々と訪れる光景は、観光客のためだけのお店では無いということの証でした。
 最寄は地下鉄ライン1のCathedral Pkwy駅 (110th)。店自体はブロードウェイ&108thにあるので、周辺の散策も兼ねて103th駅や、コロンビア大学のある116th駅から歩くのもお勧め。ブロードウェイに面しているので、分かりやすい場所にあります。
 日曜日の朝ということもあり、さすがこの行列。しかしすぐに店内に入れます。持ち帰りの人が多く、また店員がとてもテキパキしているからです。フランス語らしき言葉を話すツーリストのカップル、新聞を読むおばさん、熱心に雑誌New Yorkerにかじりつくお兄さん。翌日(平日)に訪れたら、行列はありませんでした。さぁ自分の番、店内は無機質とも呼べるほど簡素ですが、ファンシーな内装が味を担保しているとは限らないことは、どこの街を訪れても例外ではありません。
 注文はカウンター越し。サンドイッチのサブウェイをイメージしてください。コツは頼みたいものを大声で伝えること。英語が通じない(理解してもらえない)時はガッカリしますが、一つに声量が小さいことも原因だと思います。太く、低く、大きな声で伝えましょう。クリームチーズや、サーモンを挟んで欲しい時、トースト(暖める)して欲しい時も併せて伝えましょう。豆腐ベースのトフティ (Tofutti)というクリームチーズもおすすめ。なかなか珍しいものを見つけました。そしてレジで会計。コーヒーなど飲み物もありました。

座席は意外と空いています。なぜベーグルが「モチモチしている」とよく評されるのか、ぜひ自分で確かめてください。やはり自分も「モチモチしている」という感想が、誰に言われた訳でもなく思い浮かびました。中身がパンのようなベーグルもありますが、この質感だけは他の場所では再現できないはずです。

有名店です。しかしそれは観光客のための店という訳ではなく、次々と訪れるローカルの人達の多さが本当においしい店であることを証明しています。店の周辺は、マンションが多く、シナゴーグスも立ち並びます。小さな子供を抱えて忙しそうな通勤客、学生(コロンビア大学が近くにあります)、ユダヤ教の伝統的な帽子を被ったお年寄り、スポーツウェアを着たランナー、ヨガマットを持ち歩く若い女性。様々な人が歩いているので、人間観察をしているだけでも楽しい界隈です。初めてニューヨークを訪れると、ミッドタウンからは遠い所だなと思うかも知れません。しかし地下鉄に乗ってここに来れば、日常の光景、ニューヨークの朝を見ることが出来ます。

Jun 9, 2015

コロンビア大学へ行こう

コロンビア大学への行き方、といっても受験ガイドではなく、キャンパス訪問です。マンハッタンにあるので、最も訪れやすいアイビーリーグのキャンパスの一つです。賢そうな雰囲気に浸る旅行もいいと思います。ニューヨークの街を最大限に活用できるキャンパスがうらやましいです。
最寄は地下鉄1ラインの116st Columbia Universityです。急行の2,3ラインは停車しないので、96stで乗り換えて下さい。Cathedral Pkwy (109th)からブロードウェイを歩くのもおすすめ。108thのベーグル屋 (Absolute Bagels)で朝食を、そして地元の人に混じって歩いて行きます。学生や教職員らしき人達がブロードウェイを歩いています。みなさん歩くのが早いのでまさにすたすたというイメージ。ミッドタウンやウォール街の通勤風景とは少し違って、落ち着いているというか、お勉強が出来そうな人が多いような気が勝手にしました。
 さて116st駅で地上へ出るとブロードウェイ、目の前に正門があります。正門を入って歩いていくと、右手に図書館、左手にはコロンビア大学と聞いて真っ先に思い浮かべる神殿風の建物/Low Memorial Libraryがあります。更にまっすぐに歩くと、アムステルダムAve側の門に到着。これでメインキャンパスはもう終わりですが、周辺にも大学関連の施設が点在しています。さくっとキャンパス巡りをしたい方は、正門から入ったメインストリートを中心に、それからLow Memorial Libraryの後側にあるエリアを歩き、最後にブックストアに行くと便利です。
コンパクトなキャンパスなので、道に迷う不安はありません。ビジターセンターは、Low Libraryにあります。ホームページから、キャンパス地図&音声ガイドをスマートフォンにダウンロードして持ち歩くのもおすすめ (http://www.columbia.edu/node/59.html)。ブックストアはブロードウェイに面したガラス張りの建物にあります。本はもちろん、大学のグッズを買うことができます。キャンパスカラーをモチーフにしたグッズもあり、紺色&水色の組み合わせは落ち着いていて、知的なイメージ。

 Low Memorial Libraryの裏側に広がる建物の雰囲気が一番良いです。こじんまりとしていて、散策というイメージがぴったり。建物の前に庭と樹木があるのが、雰囲気づくりに欠かせません。学校といえばソメイヨシノを思い浮かべますが、こういう桜の植え方もいいですね。こう美しいキャンパスを見ると、誰だって勉強をしたくなるし、屋外で読書・宿題をしてみたくなります。キャンパスが美しくないと、こうした気持ちに駆り立てられないというのは、言い訳ですけども。

とはいえこの美しいキャンパスも現実の世界であることに変わりはありません。そもそも美しいキャンパスは何の為にあるのか。大学進学、学位を得るためには多額の投資が必要であり、投資に見合っただけの環境が提供されるべきであるはずです。とりあえずキャンパスの美しさで勝負に出る、はたまた、キャンパスの美しさは二次的なものであり、教育水準の高さ、卒業時に得られるキャリアで勝負に出るべきだ。考え方はそれぞれですが、学生に対してどのような価値を提供出来るか、サービス精神が求められる訳です。

またキャンパスで起きた悲劇に対して、立ち上がった女性がいます。Emma Sulkowiczさんという人。性的暴行事件に対して、Carry That Weightというマットレスを担ぐパフォーマンスで意思を表示しました。 美しいキャンパスが実世界に対するアカデミズムの特殊性を高めるものだとしても、事件に対する対処策が実世界とかけ離れたものであってよい訳がありません。キャンパスにおけるsexual assaultの議論が始まりました。

やはりキャンパスと実世界との距離感は、常に対話を求めらるものである必要がありそうです。筆者が通った都内にあるキャンパスでは、キャンパスに通いながら、就職活動に励むことができたので、(健全な?)実業の世界にたどり着くことが出来ました。一方で、実業の世界に飛び出したからこそ、キャンパスへの憧れが時折思い浮かびます。 ジュリアン・ムーア主演の「アリスのままで (Still Alice)」を見ているうちに、コロンビア大学を含むアカデミックな世界に憧れを感じました。「もっと遊んでおくべきだった」、もしくは「もっと勉強しておくべきだった」どちらの後悔をお持ちですか?キャンパスは結局、舞台装置であり続けるべきなのです。進学前、在籍中も、卒業後も、大人のディズニーランドとして夢を与え続けてくれるテーマパークであって欲しいと思います。義務教育として通わされる訳ではなく、テーマパークでありながらお客様としてではなく、その価値を創造するプロセスに携われることを喜びに感じられる、場所であって欲しいと願います。

Jun 6, 2015

2015年池子フレンドシップデー

池子が日米共同利用となって始めてのフレンドシップデー。確かにセキュリティチェックがなくなりました。家族でも楽しめる落ち着いた雰囲気は健在でした。飛行機・艦船、武器の展示はありませんが、緑溢れる静かな環境でリラックスして楽しめる貴重なフレンドシップデーでした。
最寄は 京急の神武寺駅。間違って横須賀&三崎方面行きに乗らないで下さい。新逗子行きに乗りましょう。駅からは徒歩約7~8分。改札を出たら右に進み、通り沿いにしばらく歩き(線路沿いの道でもいいです)京急の踏切を渡ったら、そこが池子住宅地区です。住宅地区の一部は「池子の森自然公園」として日米共同利用が始まりました。エリアの奥にある森も近いうちに公開されるとのこと。住宅地区があったことで、森が保存されてきたことは事実の一つだと思います。
確かに今回からセキュリティチェックがありません。ご覧の通り、トラックを中心としてブースが立ち並びます。家族連れを中心にとても落ち着いた雰囲気です。ピクニック用のシートがあれば完璧でしょう。
今回は米軍、逗子市共に、日米共同使用開始ということもあってか、市長を始め、厳かに開会式が執り行われました。国歌演奏、国旗を掲げた行進もありました。開会式が終わると、さあイベントの始まりです。バンド演奏も健在。第7艦隊のバンド・オリンタルエクスプレス/Oriental Expressが盛り上げてくれました。曲目は3月の横須賀フレンドシップデーと同様のチョイス。イベントにもよるのでしょうが、基本的に現在進行形で流行っている曲を演奏してくれます。Happy by Pharrell Williams、Fireball by Pitbull、All About That Bass by Meghan Trainorなどなど。それこそ数年前のイベントでは、Katy Perry、Nicki Minaj、漢南スタイル(もちろん韓国語で)も演奏してくれました。ただ不思議と、ラップ音楽は聞いたことがありません。Kanye West、Jay-Zはまだしも、Snoop Doggになると連邦政府が関係するイベントでは厳しいでしょうか。All About That Bassの歌詞は、やはり米軍らしい全世界に向けたメッセージ。ありのままがいい。こうして自由は守られるべきです。エクセサイズが無理に強いられるべきではありません。エクセサイズと規律を重んじる軍隊が、リバタリアニズムの価値観の福音を宣教しているのは、不思議な光景ですが。
食べ物や飲み物も買えます。何気にシシケバブ、ファラフェルサンドの店が人気があるようで、食べている人を良く見かけました。米軍の店もありますが、ちょっと残念なホットドッグ。ナチョスの店が盛り上がっていました。Marine FASTPAC (海兵隊で艦船のテロリスト対策を行うチーム)のブースではTシャツを買えたり、フェイスペインティングをしてもらえるのですが、いかんせん隊員達がいかつすぎるので、子供が近寄らない一方で(しかし隊員達はとても楽しそう)、奥さんやお子さんがサンプルを配ったり、呼び込みをしているブースには人が集まっていました。一番のおすすめはMRW (福利厚生チーム)が運営する中央にある大きなブースです。ビールも飲めますから、やはり電車で来て正解でした。

フレンドシップデーを楽しめるのは、神奈川に住んでいることの楽しみの一つです。フレンドシップということで、特に何か大げさなことをやるというのではなく、あくまでも米軍の穏やかな休日に私達が溶け込んでいくというイメージです。この自然体な雰囲気が好きです。時代がとまってしまったかのような、古めかしい異国情緒ではなく、現在進行形で全世界に展開し、活動を繰り広げている米軍。その米軍の周辺では、現在進行形の国際交流がじわじわと互いの境界を少しづつ融解しながら、接触を試みているのです。クールジャパンなどという、お誂えの国際交流の現場では到底感じることの出来ない、緊張感と現実性を帯びたものです。数十年後には消えてなくなるかも知れないイベントですから、現在のお互いの関係性を楽しむべきなのです。

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