サンフランシスコのミッション地区は何気にグルメな街。さっそく、ベーカリーの"Tartine"(タータイン)、そしてグルメスーパーの"Bi Rite Market"(バイライト・マーケット)を訪れました。確かにおいしい!そして、いかにもサンフランシスコらしい。アメリカの食事がまずいだなんて、少なくともサンフランシスコではウソだと思いました。
前回はドロレスパークを楽しみました。公園の北東側から18th Stに戻り、Valencia Stまで散歩することにしました。周辺はのんびりとした住宅街。平日の午前中ということもあり、とてもリラックスしたローカルな雰囲気が漂っていました。
ちなみに18th Stはこのような景色です。路肩に車がたくさん停めてあるのがアメリカっぽい景色です。抜けるような青空、適度に茂った街路樹。そしてとにかく光の質感が美しい。こんな普通の街並を歩いているだけでも、リラックスできますね。
さっそく、Bi Rite Marketが見えて来ました。海外旅行に行ってスーパーやドラッグストアを眺めるのは楽しいですね。見たことないものだらけ!もちろん大型店も楽しいけれど、こうしたローカルに根ざした店舗、そして何よりも徹底したこだわり・モットーを持っている店を眺めるのは刺激になります。
あらゆる意味で、まさにサンフランシスコらしい店だなと思いました。日本では時としてうさんくさく、かつ押し付けがましく聞こえてしまうテーマ(スローフード、地産池消、アーティサナルなプロダクト、ロハス、ビーガン等々)もさすがに本場に来ると、その理念&実行しているコミニティの存在に尊敬の言葉しか出て来ません。"Creating community through food"、"Buy fresh, Buy local"、"Be a part of change"など、ちょっとしたフレーズに感動。ちなみに日本語で書いたらちょっとうさんくさいかも知れませんね笑。そこは英語マジック。
店内もよい雰囲気。陳列の仕方が上手ですね。野菜は今まさに取ってきたばかりのように、新鮮かつおいしそうに見えます。手書きのボードと、根っこを氷に漬けている所、そして葉物野菜が少し濡れていて、実に新鮮に見えます。日本みたいにビニールを被せてない所かよいですね。もちろんデリカコーナーもおいしそう。こういう陳列は、ヨーロッパのマーケットを彷彿とさせるというか、アメリカでも良い物やアーティサナルな方面を極めるとヨーロッパのような雰囲気につながるのでしょうか?アメリカとヨーロッパは、少なくとも白人文化という点においては、やはり共通点が多いように思います。考えてみればそりゃそうですけど。あとビーガンの食べ物もありました。ビーガンはいいですね。「野菜を毎日食べましょう!」とよく聞きますが、考えてみれば、一食だけでもビーガンに置き換えれば言い訳で、もっと食べ物の選択肢が増えてくれるとうれしいですね。
そして店員/買い物客がよい意味で一体となっているように思いました。初めての客にもフレンドリーに接してくれるし、もちろん地元のお客さんとは買い物ついでに色々な会話を楽しんでいる瞬間もありました。コミュニティーに溶け込むというか、コミュニティーを作る意気込みさえも感じるバイライト。恐るべし。世界中どこに居ても、地域に根ざした店には足繁く通いたくなる共通の魅力があるのですね。やはり空間の魅力は人間同士の交流から生まれるものです。
そして、いよいよTartine(タータイン)に到着。黒が基調の外観、目立った看板がないので一瞬分かりにくいです。テーブル席は混んでいましたが、何とかスタンディングカウンターに場所を見つけられてラッキー。改めて店内を見渡すと、パンはおいしそうだし、お客も良い雰囲気の客層ばかりでした。やはりリラックスしています。客層ってやっぱり大事ですね、そして店側が思う様にコントロール出来ない辺りが難しい。良い客層が集まると、良い客層がそれにつられて来るようになる。これだけ多種多様な人がいる街であっても(サンフランシスコに限らずアメリカに行く度に思いますが)、店やエリアごとに客層や雰囲気が決まっていて、互いに異なっている点が改めて不思議だと思います。
写真のチョコクロワッサンはさすがにうまい!そしてボリュームもあるので満足でした。コーヒーも普通にうまいですね。パン自体もおいしいし、店内の雰囲気も良かったです。ある意味、タータインも観光地のような有名スポットだと思いますが、それでもこのローカル感、そして俗っぽさがない雰囲気が、有名スポットなのに極めて自然体であっていいですね。
そしてミッションと言えば、こうしたアート。同じく18th沿いにありました(http://www.womensbuilding.org/twb/)。タータインみたいなどちらかというとスノッブ気味な場所もある一方で、どちらかと言えばタフな景色も広がるミッション地区。はっきり言ってタフなエリアであることに昔から変わりはないと思います。滞在中もミッション地区の発砲事件がニュースを賑わせていました。それでもボヘミアン達、そしてドットコムバブル以降の人口流入が新たな側面を加えていき街の様子が変わっていく。アメリカならではの現象だと思います。New YorkのMeat Packing Districtや、BrooklynのWilliamsburg、そしてSan FranciscoのMission Districtしかり。国の中にありとあらゆる差異化の軸があると、極めて社会的にダイナミックな動きが起こるものですね。良い悪いという点から議論をするつもりはありませんが、社会の中にこうしたダイナミックな動きがあるというのは、純粋におもしろいと思うのです。こうした街があるから、アメリカ旅行に行く度に新たな魅力をその都度発見するのです。街歩きの魅力ですね。
・Bi Rite Market(http://www.biritemarket.com/)
・Tartine(http://www.tartinebakery.com/)
・Women's Building(http://www.womensbuilding.org/twb/)
・インディペンデンスブックストアー天国のサンフランシスコ
(http://www.nytimes.com/2010/12/05/travel/05SanFran.html)
・ミッション地区の楽しみ方
(http://travel.nytimes.com/2008/09/14/travel/14hours.html)
・バレンシアストリート
(http://travel.nytimes.com/2008/07/13/travel/13surfacing.html)
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