Bushwickはブルックリンのエリアの一つであり、地下鉄のM&Lラインが通っています。今回はマンハッタンからLラインでMorgan Av駅を目指しました。ピザ屋Roberta'sの最寄駅だからです。マンハッタンからのアクセスを考えるとLラインがおすすめ。ヒップスタートレインとも呼べる程に個性的な街を連ねています。ブルックリンのヒップスター文化、近年の開発と高級化を象徴するラインです。ブルックリンの入門・ウィリアムズバーグ/Williamsburgの最寄駅Bedford Av駅から5駅なので、ぜひ足を伸ばしてみてください。ディズニーランドみたいなウィリアムズバーグ(disnefied Williamsburg)よりも、リアルな世界を楽しめます。
今回はMorgan Av駅から、Bogart Stを数分歩き、Moore Stを曲がってピザ屋に到着するまでの道のりです。わずか数分の散歩ですが、かなり刺激的です。夜遅くなってからはおすすめしません。タクシーもあまり見掛けなかったので、不安ならば昼にしておきましょう。
Bushwickはまだまだタフでインダストリアルな地域ですが、2000年代からヤングプロヘッショナルな人達の流入が続いています。他地区と同様に、再開発とエリアの高級化(家賃上昇)が進んでいるとのことですが、無骨な雰囲気とヒップスター達は今でもエリアの象徴です。ちなみに1977年の地区一帯の停電に伴う暴動はエリアに荒廃をもたらし、他地区に比べて復興が大分遅れてしまった経緯があるようですが、移民流入(特に中南米系)はマルチエスニカルな多様性を街にもたらし、この混沌とした雰囲気が今でも若者を引き寄せているのだと思います。
コメディ番組のポートランディア/Portlandiaが好きな人。何にせよインディーが好きな人。Urban Outfittersの服やアクセサリーのようなヒップなものが好きな人。そしてアートやファッションの仕事をしている人達にとって、目にするもの全てがお手本になる街並みだと思います。
オーガニックショップに、コミュニティーガーデン。最近の大都市開発を語る上で象徴的とも呼べるアイテムも存在していました。「都市はなぜ魂を失ったか(原題:The Naked City)」という、シャロン・ズーキン/Sharon Zukinさんの本を読んだので、実際にフィールドトリップを行うことが出来ました。
冒頭にも掲げた写真ですが、ウォールアート。このあざやかさ!ぜひお気に入りのアート作品を探してみてください。自分だけの観光名所です。
まだまだタフな街並みが続くのかと思いきや、Moore Stを曲がると店に到着。この赤い看板が目印です。全くブッシュウィックの予備知識が無い人を連れて行ったら驚きです。すっかり気に入るか、無骨すぎて拒否反応を示されてしまうか笑。店のレポートは次回の記事で紹介します。
ちょっと絵になる景色だと思いませんか?インダストリアルでタフな地域ですが、どことなく絵になる景色を時折目にしました。これがニューヨークらしさだ思います。例えば同じようなタフな地域として、ロサンゼルスのセントラル地区(South Central・Union StationやChinatownの一帯)が思い浮かびました。あちらは太陽がまぶしいのに、妙な寂寥感と孤独を感じるのです。しかしブルックリンの街並みは、例え初めて来てすぐに帰ってしまう旅行者であったとしても、不思議な一体感を感じるような気がするのです。
また不思議なことに、個性的であることが絶対命題とされるはずのストリートカルチャーは、どういう訳か、そのヒップでオフビートなさじ加減が全世界で似て来てしまうように感じます。ファッション、エンターテイメント、アートあらゆる場面において。それはひとえに、ニューヨークとブルックリンの発信力が強すぎるからかも知れません。今、ブルックリンにはヒップスターを目指すアートなヨーロッパ系の若者が現代版移民として流入しているとのこと。また時折おしゃれな日本人の方を見かけました。大西洋を挟んで元から結びつきが強いヨーロッパはもちろん、今の日本は不思議とブルックリンに大きな関心を抱いています。なぜそれほどに、ブルックリンは影響力を持っているのか?ぜひ自分の目で確かめてみてください。米軍やゴールドマンサックスが世界最強のハードパワーであるならば、ブルックリンこそが平和と愛の使者なのかも知れません。